珍しく新しめの作品多め

最近読んだものの中で良かったのを順に。コミック→小説です。
「読書中」と同じく、表紙に惹かれた作品が多かったな。
感想のボリュームに偏りがあるのは仕様です…って言うか最後のだけボリューム過多できもちわるいと最初に断っときます…。


※基本ネタバレはしないように書きますが、気になる方は引き返し推奨です!


ミクとネオ 上巻 (EDGE COMIX)

ミクとネオ 上巻 (EDGE COMIX)

ミクとネオ 下巻 (EDGE COMIX)

ミクとネオ 下巻 (EDGE COMIX)

「刺青の男」が好きなのと、表紙の雰囲気と「涅槃へようこそ」の帯に惹かれて購入。
表紙から受ける程殺伐シリアスな感じではなかったです。
脱力系かつメタなギャグを交えつつふんわりゆっくりと話が進む中で時々ミステリアスな描写が入る、という変わった構成でした
(休載はさみつつの連載期間が4年もあったらしい…)。
上下2冊は長いかな?とも思うけど、涅生(ネオ)と、弟の槃比(バンビ…どういう名前つけてんだろう親)の兄弟漫才がかわいかったり、
独特のゆるーい空気が何となくお気に入りだったりします。オチ&ラストも好き。


こちらもSIDE:Bの表紙に目を引かれて。
ギャグの作家さんというイメージだったんだけど、お話はいたってシリアス
(ところどころギャグというかものすごいデフォルメ顔が出てくるけど)。
BLと言うよりは人には言えない性癖を抱えた少年たちの青春もの、といった方がしっくり来るかも。
あらすじを読んだときは、桐野が三島のことを好きなのかと思ったけど、そういうことだったか。
三島ことフトシ君、強いなー。桐野は…切ない。夢野はすっごく普通の子なんだと思う。
どの子も、それぞれの選んだ人生を応援したくなった。


4巻まで出てるけど3巻まで読了。
日高さんは、人物の感情表現が巧みなのはもちろんなんだけど、登場人物の抱える背景の書き込みが半端ないなーと。
サラリーマンの出てくるマンガを同時期に他にも読んだんだけど、お仕事描写はダントツでリアリティがあって、
やっぱり上手い作家さんなんだなと再認識。そして「憂鬱な朝」の続きはマダデスカ(じりじり)


ここから小説。
藍苺(ランメイ)畑でつかまえて (ディアプラス文庫)

藍苺(ランメイ)畑でつかまえて (ディアプラス文庫)

毎回書いてる気がするけど、この人のコメディ作品大好きなのよ。
今度の話は日中交流婚活モノで、深刻な部分はさらっと、でも上手にストーリーに絡めつつ、
アニメマンガや芸能人ネタをふんだんに盛り込んだ、とてもかわいくて楽しいお話に仕上がっておりました。
何だよ「進撃の阪神」「めぞん白骨」って!
受けの夏雨(シアユー)の訛りの入った日本語がこれまた微笑ましいし。
今後はディアプラス文庫が中心になってくるのかな?作風的にぴったりのレーベルだと思ってます♪


Webマガジンで連載されてた作品。毎回更新を楽しみにしてました。来月書き下ろし追加で文庫になるそうで(^^)
公式サイトに表紙絵があります。こういう感じになるのね、ふむ(オンラインでは挿絵なしだったので)。
アドレスのドメインを間違ったところからメールの交換が始まるっていうのはちょっとびっくりの展開なんだけども、
それぞれの本来のパートナー(受けの方は正確には違うけど)との関係とか、段々仲良くなっていく過程とか、
やっぱり良かったです。特に終盤の受け攻めそれぞれの心の声とか、単純なセリフなのにいちいち心に残るなあもう!
一穂さんの独特な文体は、鼻につくスレスレのところに感じるときもあるんだけど、
なんだかんだいつも読まされてしまう。なんか悔しい。けど嬉しい。


碧のかたみ (Holly NOVELS)

碧のかたみ (Holly NOVELS)

「天球儀の海」のスピンオフで、希(ゆき)のすぐ上のお兄ちゃん、恒(わたる)の話。
この作家さんを知ったのは「天球儀〜」 の表紙にふらっと惹かれて手に取ったのがきっかけでした。
で、今作のこの表紙…サイトで見た瞬間から撃ち落とされてたよ!
そして、久しぶりに頭の中がキャパオーバーでぐーるぐるになる作品に出会いました…。
第二次大戦中の南方戦線っていうテーマは、BL、というかライトノベルで扱うには重すぎるんじゃないかという危惧もあり、
期待半分不安半分で読み始めまして。
ストーリーの完成度は「天球儀〜」の方が高いかなと思いました。かなりわかりやすい伏線もあったりして。
描写の美しさや小道具の使い方はこれまでの作品以上に見事な反面、
戦争っていうテーマをこんなに良くも悪くもキレイ(壮絶な描写もあることはあるけど)に書いちゃっていいのかな、
っていう面でのモヤっと感も残り、手放しではオススメできない、というのが正直なところではあります。
けれども、恒と六郎の微笑ましくも切ないやりとりの数々にこれでもかという程萌えつつ、
途中2回ほど泣きそうになってしまった。


でもって以下はネタバレを含むのでちょっとでも読もうと思ってる方は回避してください!






前作で「兄は戦死した」ってくだりがあったので、本当に最後までどうなるかわかんなくて
(恒が中盤で2回も生死の境を彷徨ったりとか、英語のやりとりのくだりで、生存フラグ?とは思ったんだけども)。
幸せなラストだったのはすごく嬉しい反面、前作に続き今回も生きてましたネタかー、と、拍子抜けしちゃった感も
全くなくはなかったりします。
木原さんの「美しいこと」を読み終えたとき、良かったね、とほっとしつつも、
どうなるかわかんないところで終わった方が話としての収まりはいいんでは…と感じたのに近いかな。
中盤と比較して、ラストの展開が駆け足気味だったのも一因かもです。
もちろん、このお話を好きなのか、そうでないのかを聞かれたら、前者なんだけど。
賛美や美化はせずに背景をしっかり調べた上で書かれている印象を受けるし、
何より、星とか、花火とか、ひとつひとつのエピソードがとてつもなく美しくて切ない。
星めぐりの歌」の詞、小学生の頃からすっごい好きなんだ…。
最後の方で二人で静かに海を見つめるところは二回読んで(萌えシーン中心に読み直した…)二回とも泣きそうになった。
カップリングも直球ストライクでして。
優秀ではあるんだけど受けが好き過ぎてたまに鬱陶しい攻め(よく泣く)×エースパイロットで熱血系かと思いきや結構冷静、
でもって攻めを容赦無くぶん殴りつつしっかり惚れてる受けなんてさぁ…。
あと、最初のえろすなシーンは今作も痛そう&苦しそうだった(苦笑…攻め視点だったからなのもあるかも)
一夜明けてのやりとりは萌えたけどさ!
先述したように手放しでの高評価はできないんだけども、忘れられない作品に出会っちゃったなぁ、と、それが言いたかっただけ。