でもって特定の数作家さんに偏ってる自覚もあり(大汗)

レビュー待ちのつもりだったんですが、DEADLOCKの同人誌(とあともう1冊別作家さんの同人誌)
を通販しようとコミコミスタジオのサイトをのぞいたら、特典小冊子付とあったので
「そうねー、これ買えば送料も浮くしー」と最近本買い過ぎの自分に言い訳しつつ予約購入
(ここで買わなかったとしても、発売日に新刊棚で見た瞬間レジに持ってっただろうに…)。

すべてはこの夜に (クロスノベルス)

すべてはこの夜に (クロスノベルス)

あれー、心なしかいつもと文体違って何となく読みにくいような?と思ってたら
あとがきによると、表題作はデビュー前に同人誌で発表→その後商業誌掲載された作品だそうです
(後の2本は未発表のもの&書き下ろしとのこと)。
それぞれ別のカップリングを描いた中編2本と、2組の後日談の短編から成っていて、メインは表題作の方になるのかな。
どちらも受は気の強い方ではなく、「冴えない外見(まー文章上は)」の30代で
有能かつ超強気美人誘い受が主役のシリーズものしか読んだことない身としては、最初少々意外な気もした
(1本目の方の受は最後ちょっと強いけど)。
表題作の方は、闇金に手を出して借金地獄に陥った受が、元同級生で今はヤクザになってしまった攻と再会、
10年前のある事件が元で、攻に対して憎しみを抱いていたが…という展開。
始まりのシーンこそ衝撃的な感じだけど、ストーリーの主眼は二人の気持ちのすれ違いで、
重い雰囲気のお話でした。
ん〜、すれ違った原因のエピソードからすると、別に攻がヤクザである必然性って、
あんまりなかったような…?でもそうじゃないとラストのアレができなくなるのか。うーむ。
終盤、ずっと心のうちを見せなかった攻が、あること(少々出来過ぎではあるけど)をきっかけに我を忘れたようになり、
その後、二人の間のわだかまりが解けるくだりは良かったです。
しかし雑誌掲載時は「あの」シーンで終わってたって…(この本ではちゃんと後日談あり)
すごく印象的な場面ではあるけど、生殺しと言えなくもないような。


2本目の方は、1本目の話で、攻のお目付け役として登場した男の、過去の物語。
妻に先立たれた田舎の教師(受)と、その妻の弟で、出所してきたばかりのヤクザ(攻…年下)が主役で、
派手な事件はまったくと言っていいほど起こらず、受にとっては妻で、攻にとっては姉だった人の思い出を軸に、
強く惹かれあう二人のお話。
途中過去語りの場面で、短いけど凄惨な描写があって、「うわっ…」と思った
(女の人がああいう酷い目にあうのはさらっと説明されるだけでも苦手なので…)のと
こちらも足抜けって、よくわかんないけど金積んだからってそんな短期間でできるものなの?とか
ツッコミどころもあったりはするんだけども、ラストシーンではジンときてしまった。
でもって3本目の後日談で、数行の描写にうるっと…。
アンド、感想書くために1本目の話を読み返して、最初に読んだときはそれほど気にとめなかった
2本目の話の主役のとある一言(「あなたが二度目」のところね)で、
そのときの心情とか瞬時に考えちゃって、またまた涙腺決壊しそうになったという…。


っと、つい2本目の方ばっかり書いてしまいましたが、後日談は表題作の二人がメインです。
(以下少々ネタバレ?)
ううううむ…幸せそうなのはよろしいんだけど、それにしたってエピソードが男女の新婚さんそのもので、
もーちょい糖度控え目かつ双方漢らしくても良かったんじゃないかなー…、などと考えてしまうのはぜいたくかしら。


コミコミスタジオ特典の小冊子(8ページのコピー誌)の方は2本目のカップルのお話でした。…また涙腺決壊ギリギリネタをー…。


(簡易検索用)作者名:英田サキ