つまるところ年明け早々腐ってました(処置ナシ)

探偵&刑事の話ということと、タイトル・表紙の雰囲気が良かったので。

世界の果てで待っていて ~天使の傷跡~ (SHYノベルス138)

世界の果てで待っていて ~天使の傷跡~ (SHYノベルス138)

2年前のある事件がきっかけで刑事を止め、今は渋谷で探偵事務所を営んでいる攻×現役刑事。
年齢は明記されてないですが、2人とも同い年で、本編の6年前に既に20代後半ってことは、少なくとも30歳は越えてるみたい。
それぞれ別の事情から、協力して1人の少年を探すことになった話と、それと交差するように書かれる
受と攻の過去から現在に至るまでのエピソード、という構成で、
少年探しのエピソードが恋愛の添え物ではなく、それだけでも十分に読み応えがありました。
むしろソノ手の場面削ったら、非BLのレーベルでも全然通るくらい。
逆に恋愛描写の方が薄めで、攻は受に恋愛感情を抱いていることはわかるものの、
地の文(受と攻の視点が場面に応じて切り替わる三人称)でのあからさまな「愛してるぜ!」的モノローグはなく、
受視点のときの「この男は自分が好きなんだということが確信できた」といった具合の描写に留まってます。
受も攻の女性関係に嫉妬するなど、友情以上の感情は持っているっぽいけど、性的行為には嫌悪感を示していたりして。
過去に一度、合意の上でそういう関係に至ってはいるんだけれども、そのシーンはむしろ痛々しい感じでした。
「現在はそのことはお互い忘れて良き友人として付き合っている」関係のまま物語が進行して、ラストまでそれは変わらず。
どうも続編も出る予定らしいんですが、2年半前の作品にも関わらず、未だその気配ナシなのは残念…。
2人の関係もそれ以外の部分も、どちらもおざなりになることはなくしっかりと描かれていたので、
続きがあるなら是非とも読んでみたいな。


センチメンタル・セクスアリス (幻冬舎ルチル文庫)

センチメンタル・セクスアリス (幻冬舎ルチル文庫)

例えば画廊の次男坊×とろ過ぎマイナー少女マンガ家とか、ヘタレ気味オッサン探偵×凶暴つんでれ893とか、
生活能力のなさや傍若無人さで攻を振り回し続ける受と
「こいつは…」と深ーいため息をつきながらも、受の世話を焼き続けたり側を離れられなかったりする攻が
長年の腐れ縁の末くっつく、という話にどうも弱いらしいことに最近気付きました。
この話も、無口&無骨だが誠実な理系大学院生×顔はいいけど売れないモデル(共に22)のカップリングで
上記のパターンではあるんですが…。


いくら自分が振り回し受(何だソレ)好きだからって言っても、春巳(受の名前ね)、おバカ過ぎ…。
高校卒業時、「好きだから一緒に暮らしてくれ」と攻から告白されて、
自分のことを疎ましく思っている父親の元を離れたいという理由から承諾して4年、
その間「ホモ男」「ヘンタイ」と攻をののしり続けてきたくせに
金銭面(仕事してるので服とかは自分で買ってるけど、アパート代等は全て相手持ち)でも生活面でも依存、
当然女にもだらしないし…と、明楽(@くいもの処)のような「愛すべきおバカ」ではなく
言動の全てが幼稚な真性のおバカさ加減に何度心のコメカミに青筋が浮かんだことか…。
攻の仙介とは、「真似事」と称して最後までではないとは言え、やる事は何度もやっちゃってはいるんですが。
まぁね、自覚はしてないけど仙介のことが好きでたまらない、てことが読んでて判る場面では…春巳も可愛く思えたし、
本当は幼い頃からずっと想い続けていたのに、とある理由からそれを認めることができなかったけれど、
やっとそのことを自覚して…というくだりは…とーてーも萌エたりはしたんだけどさー…。
読んでる間中「テメエ…(怒)」と「…可愛いかも」が入れ替わりまくるという作品でございました。


(簡易検索用)作者名:高遠琉加 砂原糖子