てな訳でもう感想

土日で2冊一気に読んじゃったので。

獅子は獲物に手懐けられる (SHYノベルズ 210)

獅子は獲物に手懐けられる (SHYノベルズ 210)

「犬ほど素敵な商売はない」に出てきた、謎の会員制高級デートクラブ「Pet Lovers」絡みのお話。
今回は攻がペットとして派遣される「ライオン」(26〜7)で、お相手は呼吸器内科の医師(29)。
こちらもシリアスかつえろす度高めにはなってるんですが、あんなに純愛度が高くはなく
終盤まで攻ではない相手に受が虐待される場面の連続です…。
相手は両親の再婚でできた義理の兄で、過去、精神にもダメージの残る酷い怪我をさせてしまった負い目と
年の離れた妹を守るために10年以上屈辱に耐え続けていた受が、義兄の差し金で仕向けられた攻と出会い
次第に心を通わせていく、というのがメインのはずなんですけども
虐待の凄惨さが際立ってしまって、そっちの方が印象に残ってしまった…。
具体的内容については、義兄に関しては殴る蹴るの暴力がほとんどで、性的なものも若干、と言っても暴力と大差ないものですが。
ちなみに義兄以外にもその手の目に遭わされるので(サービスエリアのアレはちょっと無理ある気もするが)、
悲惨な描写が多いです。
受が精神的にとても強くて、医師としてもしっかりしているので、はかない風情ではないんですが
それだけに却って耐え続ける姿が痛々しかった。
攻は「粗野で強引だけど根は優しい奴」なんですけど、男娼まがいの仕事についてる理由等の暗黒面は一切描かれてないので、
逆にいい人過ぎな気がしないでもなかったです(受の状態が状態なんで、それでいいのかもだけど)。
「金で買った」デートのくだりとか、自殺を思いとどまらせるところ、義兄を殺そうとするシーンなどなど
はっとさせられる箇所や萌エどころはありましたが、色々解決した後のラストはちょっと急ぎ過ぎの感があったかな。
て言うか病院関係者がソレは…ヤバイだろう(汗)


同日発売のこちらも。
デコイ 囮鳥 (SHYノベルズ)

デコイ 囮鳥 (SHYノベルズ)

前後編の前編なのであんまり書けることがない上に
ちょっと突っ込んだこと書くとネタバレの嵐になり兼ねないので差し障りない範囲で。
記憶喪失の男、安見(28)&謎の長髪美形、火野(32)と、抗争抑止団体に属するヤクザの那岐(32)&その相棒の加賀谷(34)、
この2組のストーリーが、元暴力団会長の殺害事件を軸に進んでいく、という構成になってます。
エス」のリンク作なので、見覚えのある名称がちらちらと。時間的には「残光」の3年後です(正確には1年半後か)。
エスを知らなくても話は通じますが、読んでた方がより楽しめるかと。
登場人物については名前だけ、もしくは存在がほのめかされる程度かなーと思ってたら、
堂々と出てきちゃったよ某元若頭補佐&某義兄…(前者は少しだけども)
その辺が出てくるということは、無論アノ人も名前こそでてこないもののちらっと登場してたり。
安見は、その存在なしではいられない程火野に溺れきっていながらも、自分の記憶に繋がる手がかり探しに必死だし、
加賀谷の自分に対する想いに気付いていながら答えることのできない那岐も、犯人探しに奔走しつつ過去の因縁に翻弄されたりで、
いたすことはいたしてる(後者はキス止まり)ものの、BLの「L」より別の部分の描写が多いのは健在。
しかしヤクザ2人組はともかく、もう1組は円満なハッピーエンドは望めない気がする…
(良くてどっちか記憶喪失とか廃人化とか…?)。


じりじりしつつ、来週発売の後編「迷鳥」を待つとするか…。


(簡易検索用)作者名:榎田尤利 英田サキ