感想かなり溜めまくってるので

ちょっとずつ消化。

すべてはこの夜に

すべてはこの夜に

2組のカップリングを描いた893モノ(どちらも893×堅気)。殺伐とした場面もあることはありますが、全体的に静かなお話です。
取り敢えずジャケット。小説表紙と同じ絵柄なのに背景の夜空がやけに紫色で、ムード歌謡チックなのはこれいかに。
ケースを開けるとCD本体は表紙と同じ絵だからいいとしても、ブックレット裏表紙が口絵と同じイヤンな絵柄、
反対側、2枚目のCDの向かい合わせになる部分には、DISC2のお2人のいっしまとわずあいしあうすがた…
ああああ全部本編で既に見てるイラストだけどなんかすっごく恥ずかしい…。
このCDだけの話じゃないけど、BLCDで頻繁に見られるこの仕様、慣れるしかないのか…。
1枚目が原作小説の1話目の表題作と後日談にあたる3話目「春宵一刻」で加持と湊の話、
2枚目が武井の過去を描いた2話目「夏の花」と、コミコミスタジオ特典冊子(現在は終了)に収録されてた短編
「春に降る雪」という構成になってます。
3話目は1・2話目共通の後日談になってるので、DISC1をトラック4まで聴き、その後DISC2をトラック5まで聴いたらDISC1に戻って3話目、
それからDISC2の最終トラック、って順番が、かなり面倒だけどベストかもなぁ…と、1と2をぶっ続けで聴いてから考えた。
キャストは、加持と湊の2人は発表の時点で既にそう感じたくらいイメージぴったりでした。
武井と鈴原の方は、サンプルボイス聴いたときはイメージと少し違うかもと危惧していたんですが、
通して聞いたらこちらも良かったかと。
2枚組なのでカットは少な目でしたが、1話目の終盤、加持がとある物を海に投げ捨てたところ、
CDだと直後に湊がそれを探しに海の中に入っていってしまうんですが、原作では
投げ捨てる→加持1人がいったんその場を去る
→しばらくして車で近くを通りかかったとき、湊が海に入ってずっと探してたのに気づく、
という展開だったので、せわしなく感じられてしまったのは残念。
でもね、それくらいはいいの。一番言いたいのは1話終盤。
あのBGMはなんなのかと。一昔前の刑事ドラマの追跡シーンかよと。
そりゃこれがBLでない刑事モノか何かで、色っぽいこととは関係ない場面なら
曲の良し悪しは置いとくとしてまぁおかしくはないけど、これ、ラブストーリーなんですけど…。
あの音楽で何かが一気にどんがらがっしゃんと音を立てて崩れ落ち、机に突っ伏したわ…。


2枚目の方も、めちゃくちゃツボに来た話だっただけに変な音楽が流れないかヒヤヒヤしましたが
明らかに場面にそぐわないものはなくてほっとしました。
鈴原の、モノローグでの武井に対する呼称が一線越えた後もしばらく「靖之くん」だったのは
小説では(三人称なので台詞のみ)すぐ後に呼び捨てに変わっててそれが萌エだっただけに
かなり違和感がありましたが、それ以外は特にひっかかることもなく、「春に〜」ラストの武井のモノローグで泣きそうになった。
私の場合、死の場面そのものより、残された人が故人に思いを馳せる時のが涙腺決壊率高いです。


キャストの演技は申し分なし、脚本の出来も悪くなかったけど。
返す返すも1話目ラストの音楽が誠に残念でありました…アレさえなけりゃなあ…(まだいってる)


2枚目は珍しく発売から1ヶ月以内の作品(来週2が出るけど)。
[rakuten:chuoshoten:10018804:detail]
迷った挙げ句販売元にて特典付きセット購入(11月初旬の時点でまだ付くとのことだったので)。
送料無料だし、バラバラに買っても払う金額は変わんないから、ま、いいか…。


小説1巻と同じ内容が収録されてます。
まず音楽がとても綺麗♪全体通してのテーマ曲が特に素晴らしく、物語上の重要なシーンで流れると盛り上がることこの上ナシ。
各話共通のBGMの他にも、エジプトの神殿や中国の妓楼を思わせる曲があったりして、音楽には力入ってる印象です。
緊迫した場面とか、ちょっと派手過ぎに感じられるものもありましたが、静かなシーンの曲は総じて◎でした。
それにしてもプロローグの主人公・蓮役の福山さん、声のバリエーションあるなぁ。声の聞き分けが得意じゃない身としては
ちょっと聞いただけじゃグレル@黒執事やリン@咎狗と同じ人だとは思えない…。
プロローグは「△はこれこれこういう人で、こういう経緯で云々、て言うか××で○×かよ?!」てな具合に
ノローグによる説明だらけでしたが、蓮と剛将のやりとりはいい感じでした。
そう言えば蓮って、超美貌とまではいかなくても普通に見目麗しかったのね。
他の話の受さん達がことごとく並外れた美しさの持ち主ばっかりだったから忘れてた(あはは)


エジプト編、原作読んだときは台詞にも地の文にも罪深いとか罰とかの単語が多く、
その響きに酔ってる感が強くてイマイチだったんですが、音声のみだとそれがいくらか軽減されてました。
アケト(攻・エジプトの王子、17歳)役の声優さんは、セシェン(受・超美貌の神官、22〜23歳)の前だと大人っぽさが増すけど、
それ以外の人の前では相応に若い感じが出てて、ハマり役でした。
セシェンは、演技は申し分ないんだけど年齢の割に幼いというか、アケトと2人だとどっちが年上だかわかんない気がしてしまった。
性格的にそれでもおかしくないと思うんですが、挿絵に描かれた姿からは想起しにくい声だったから違和感を覚えたのかも。
ティティ(神官の少年)、この話の頃は無邪気だったねそう言えば…(涙)


古代中国編の主人公・紅蓮(顔に睡蓮の形をした大きな赤いアザのある金細工師)役の吉野さん、
最初CM聴いたときは棒読みっぽく思えたんですが、鬱屈した性格や野心家である面、
鷹峻(容姿にも才能にも恵まれた幼馴染の官僚)への複雑な感情が、淡々とした台詞やモノローグによって引き立っており、
むしろぴったりだった。
鷹峻役の子安さんは、聴き馴れた声なので心配することなく聴けました。
幼い頃の自分に唯一優しくしてくれた相手に想いを寄せ続ける、純粋で純情な青年のイメージにも合ってたし。
竹籤の蜻蛉のエピソードは、短いし、音声だけで表現するのは難しそうだから削られるだろうと思ってたので
カットされててもさほど落胆はしなかったんですが、
鷹峻に恋愛感情を抱かれていることに気付いた紅蓮が、その時に覚えた「足が地面からふわふわ浮かんでいるような妙な心地」を
何だかわからないまま「優越感」だと決め付けてしまうところが、
「何だかよくわからない」の部分をすっ飛ばして「優越感を覚えた」だけになってて、
そこを端折っちゃったのはちょっとがっかり。
ラストシーンも良かったんですけど、それ以上に原作でも好きな場面、紅蓮が初めて自分から鷹峻を求めるくだりにグッときました。


音楽に関する感想がいつもより多めで、しかもその部分が対照的なこの2作を選んだのは
図ったつもりじゃなかったんですけど。
ドラマCDの音楽って…重要だよね、意外と。