小悪魔的スペシャルな何かとか

「交渉人は黙らない」の続編です。まだまだ続くようなので、シリーズ2作目といった方がいいかな。

交渉人は疑わない (SHYノベルズ)

交渉人は疑わない (SHYノベルズ)

あ〜笑った笑った。
初っ端の「アッキー」に始まり、ページを繰る間中くすくす笑いが止まりませんでした。
暑いからって仕事着をアロハ(しかもダサい)にするわ、「俺のケツをどうしようと、俺の自由だろうが!」とか
「これから自分を掘削する相手」とかミもフタもない発言を連発、
黙ってりゃイイ男のクセしていちいち微妙にオヤジ入った芽吹(32歳、受)の言動と地の文ツッコミは健在。
つかむしろパワーアップしてるような。
お相手の兵頭(31)は、ちょっと仲良くなったからか前作ほどは酷いことはしてきませんが、まー相変わらず。
中盤の「脱がせときながら逆ギレ」シーンとか、こちらもいちいち吹き出させやがって…!
つか鵜沢、生きてたのね。前作の兵頭の台詞から死んだと思い込んでたんだけど…生きてるって描写あったっけ?
今回は依頼がほぼ1件に絞られており、それに過去の事件がからんでくる形になってます。
ともすると説教クサくなりがちな内容だけど、あまりそれを感じなかったのは芽吹&兵頭の夫婦漫才のお陰かも。
キヨ(芽吹ネゴオフィスのバイト、無口で背高い)と智紀(身長ミニサイズちょい不良高校生)の2人もかわいい。
小説だと「お前を愛してる…!」「俺もだ…!」(そして抱き合う2人)的な恋愛濃度濃いめのばっか読んできてるので
こういう「恋愛なんだかなんなんだか」的ノリはちょっと新鮮です。
実のところカップリング萌エはあまりなかったんですが、読んでて楽しく、
しかも男同士の色恋沙汰と○×シーンあってこその面白さだから、
「純粋に面白くて、恋愛一辺倒ベタベタではないけどその要素が不可欠」なお話を
このジャンルで読めたことがちょっと嬉しい。
挿絵は随分雰囲気が変わってますが、この作品に限らず奈良さんの絵は場面場面にぴったりとマッチしてて
「うわー素晴らしい…」といつも唸らされてしまいます
(デコイの感想のときそれ書き忘れてました…『迷鳥』のモノクロ扉絵にはやられた)。
特に裏表紙のキヨ&さゆりさんと、扉絵の待ち受け画面がナイス!


(簡易検索用)作者名:榎田尤利