BL短編小説13本勝負!!

少し前に「気になる」と書いてリンク貼った、「人気作家」が13人程参加してるというアンソロジー
気に入ってる&気になってる作家さんが3人ほど参加してるものの、そのためだけに野口を一枚消費するのは流石にためらわれ、
さりとて立ち読みするのもあんまりにもあんまりな表紙&内容なので、手をだしかねていたんですが、
1ヶ月程前、行きつけのマンガ古書店にて半額で売られているのを見て、文庫本1冊程度の値ならブログのネタ用にいいかもな…と購入。


一昨日、気合と勢いのみで全部一気に読みきりまし…たッ…
(ばたり)

エロとじ (b-BOYアンソロジー)

エロとじ (b-BOYアンソロジー)

タイトル、正確には語尾にはぁとまーくがついてます…。
表紙…プラチナ文庫(それともプリズム文庫だったっけ?)みたく、キラキラ輝いてます。帯取っちゃいやんな感じ(…画像は帯ないね)。
ピンナップは、まるマシリーズのイラストの方。
男体盛り、もとい、「キミをデコレーション」的なアレといったらいいか…な…。


各作家さんとも20ページ弱くらいの小説で、イラストは扉絵のみ。
目次があるかと思いきや、いきなり最初の話の扉絵でちょっと面食らった(後で見たら巻末についてた)んですが、
「好きな作家さんのだけ読んじゃえー」なんてことはせず、
ここは潔く最初から「次は誰のが出てくるかなーどきどき」ってなノリでいくことにします。
以下、読んだ順番に本文感想(敬称略)。


注:ここより趣味偏りまくり&割と遠慮ナシの感想のため、ブログ主と好みの合いそうにない方は、
好きな作家さんに対して暴言が吐かれている可能性があるため、ご注意ください…。
アンド、若干のネタバレを含みます。


痴漢電車」 鬼塚ツヤコ(ill:佐々成美)
初めてお名前を目にする作家さんです。
タイトルまんまです。扉絵と最初の数行で内容及び展開の想像はつくんですが、
シチュはともかくとして背景のストーリー自体は割と普通だったので、思ったよりはマトモだった。
でもさ…無理だろ…満員電車でソレはさ…つかすぐ犯人に気づけよ主人公!


「バッドステータス(はーとまーく)発情中」 南原兼(ill:ホームラン・拳)
この方の作品は…数年前、雑誌コバルトに載ってた前後編を読んだとき……編集部を呪った記憶が……。
章タイトル:お兄様の猫耳シャノアールは甘く濡れて誘う)
本文開始数行目:声楽科の1年は全員、音楽祭で猫耳着用なんてさ
…すんません、放棄して次いっちゃっていいですか…(真顔)
開始1ページで脳がじっくり読むことを拒否したため、やたらと某喫茶店の名前が連呼されてたことしか思い出せない…
(あ、シャノアール=黒猫ちゃん、って意味なんだっけ…どーでもいいや、もう…)


「媚薬」 水上ルイ(ill:池玲文)
豪華客船モノとか書いてる方でしたっけか。
馬丁×王子の主従下克上。このアンソロで数少ない割と純愛モノ。
途中でオチの予想はつきますが、手堅くまとまってるかなぁといった様子。
全体的に綺羅綺羅した雰囲気漂う文章です。読んだことないけど、ハー○クインっぽいイメージ?
しかし仮想西洋モノで「セクシー」「イジワル」という表現はちょーっと興ざめ…。
個人的には王子の年齢がもうちょい上だったら良かったかも。


「兄貴とヤス」 英田サキ(ill:鹿乃しうこ)
…綺羅綺羅から一転してすげー漢なタイトル&扉絵カットだなー…。
舎弟×兄貴の極道モノ。中身も見た目どおりに漢ワールドでございます。
お気に入りシリーズの作者さんだけに、タイトルだけ事前に知ってて、どんなんだか期待半分不安半分だったんですが…。
欲に流されまいと必死に耐える舎弟と超誘いまくり受兄貴、ずっと気付かないフリしつつ実際は相思相愛でしたネタに、
期待以上に萌えてしまった…。
ラストが上手くいきすぎなのも…様式美かなー、この展開なら。
13本中で最も好みな話でした。
てか、アンソロ中唯一の、TPOがマトモで複数じゃなくてこすぷれもせず道具も薬も使わない純愛モノが極道アニキ受か…。


「蜜月メイド」 水戸泉(ill:しょうおとあや)
このアンソロ、扉絵とタイトルで大体内容わかるね…(随分印象違うのもあるけどさ)。
てな訳で、見なかったことにしていいですか…?
いや、飛ばさずに読もうと最初に決めたじゃないか、自分…。


……めいどさんぷれい。無論じょそう。アレな単語あり。…あとなにかあったっけ…?


「鈍色の華」木原音瀬(ill:鈴木ツタ)
リーマンが、上司に見守られながら外国人二人に接待の席でセクハラされまくるお話です。
男体盛りモドキとかされてます。
40代後半、ほとんど白髪で実年齢より老けて見える枯れたおじさまが。
ノベルス2作ほど読んで、独自の路線貫いてる作家さんって印象だけどさ…貫きっつーか、わが道全力疾走してるような…。
ラストはどこかのレビューで見たとおり、確かにちょっとホラーっぽいかも。
この幕切れ部分のおかげで後味は不思議と悪くないんだけどね。


「隷従の檻」 和泉桂(ill:稲荷家房之介)
奴隷を好き放題していた元王子が少年奴隷に体の自由を奪われて、逆に調教とかあれこれされてるうちに、
快楽に目覚めてきてしまい…な話。
実は奴隷は元王子のことを…というオチなんですが。
うーん、自分は攻の感情がどうあれ、受がひたすらいたぶられまくるだけの状況に萌えは感じないんだけど
全体の雰囲気や文章自体は悪くないし、色々なレビューサイトをネタバレしない程度にちらっと見たとき、
この作品褒めてる人も割といたから、好きな人は好きなのかもなぁ。


「クリスタル」 榎田尤利(ill:中村明日美子)
イラストは、ゴスロリバイブルや「EROTICS f」で描いてる方ですね。
BLのイメージがなかったから、ちょっと意外な人選だと思った。
真昼間にエレベーターに閉じ込められた、就任したての若き取締役×お目付け役の秘書(年下攻)。
耽美な扉絵カットですが、中身はエラいことになってたという…。
…うわーソレ来るの(汗)?!
普段の作風からは想像できない鬼畜ドマニアックなアレ
(郎猫儿作品とかでおなじみの…と言えばわかる方にはわかるだろうか…流石に出すだけだけど…)
にかーなーり面食らってたんですが…。
ラスト数ページくらいで雰囲気が変わって…あれー?
鬼畜→一転して純愛モード(…この時点で意外なことに萌エ…)→更に終盤でもうひとひねり(うわぉ…)
の流れが鮮やかで、やっぱりこの方手練だなぁ…と純粋に感心。
でもこの二人、双方かなりの変た(以下自粛)

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っと、まだあるのか…(流石にちょっと息切れ)


「貴人たちの後継儀式」 斑鳩サハラ(ill:明神翼)
さる高貴な『一族』の成人儀式、それは…(以下倫理的に問題なので削除)
内容?あったっけ、そんなもん(突伏)


「多岐川肛門病院の秘密」 山藍紫姫子(ill:あさとえいり)
ちょっとした必要に迫られてお医者さんごっこ。色んな道具とか出てきます、病院ですから。
具体的にどの部位かはタイトルから察してください。
えーとさ…私の記憶だとこの方…BLというより「耽美」と称される作風の作家さん…だよね…?
ナニよ「陣痛」って…何で攻の一人、ほぼ全部の台詞に四字熟語使ってるんだよ…
マニアックとかそういうのも超越した展開に軽く感動すら覚えたさ…。
萌えは…ないけど。

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あ、あと3本…


華麗なる賭け」 あすま理彩(ill:亜樹良のりかず)
この方も始めて名前を聞く作家さん。
豪華客船内カジノのディーラーが賭けに負けて…後はご想像におまかせします。
こういうのはちょっと苦手だ…。


「縛めの白薔薇あさぎり夕(ill:かんべあきら)
この方、少女マンガ家の印象が強かったので、BLに転向されたときは驚いたものさ…(「ミンミン!」「紅伝説」とか読んでました…)
えーとこれ、時代モノじゃなくて現代モノなんかな…?
歪んだ執着でもって受をいたぶる攻×最後のプライドで抵抗し続ける受。
…ん〜、萌えシチュでないこと以外にも、上手く言えないけど何かが微妙というか…文体が合わないのかなぁ?


「可愛くて、可愛くて。」 雪代鞠絵(ill:大和名瀬)
「新妻ふわふわ日記」というとても前衛的なタイトルのボオイズラブを書かれている作家さんでしたっけか。
先輩二人に弄ばれる一年生……それどう考えてもイジメだから……
で、主人公の名前が「由佳(ユカ)」ってさぁぁぁ女の子じゃんよまるっきし……(頭抱えつつ流し斜め読み)
ええと…実は合意だったって…?知らん、か弱い系未成年のイジメネタは生理的に無理だ…。


以上。


巻末に本編にちなんだパズルがついてます…解く気、ナシ
その後に作家さんとイラストレーターさんのコメントがあるんですが、これがなかなか楽しかった…。


「シュミに走った話になりました」(ああ、やっぱそうか…)
「エロさ不足を実感」(いや、この面子内じゃそうかもだけど十分にえろかったから…)
「普段とあまり変わらなくて、どうせいつもエロばかりと再認識」(そうかー、こんなん書いてるんだ普段も…)
「一度書いてみたかったのを書けて今とても清々しい気分」(…書きたかったんかい、アレを…)


どの作者さんだかはご想像にお任せします…。


かなり長くなったので、次回、気力が残ってたらまとめ書く、かも…。


(簡易検索用)作者名:エロとじ(アンソロジー)