こちらも1月には読了してたんですが

…思い入れ強すぎて&感想書くために読み返すとまた萌エのあまりに三途の川を見かねないので
延び延びになってました(←アホ)
今週ドラマCDが出る作品の、原作の方です。

愛してると言う気はない (SHYノベルス)

愛してると言う気はない (SHYノベルス)

元刑事の探偵、陣内(37)とイケイケ美貌893の天海(29)が12年の紆余曲折を経て恋人同士になるまでを描いた
「さよならを言う気はない」の続編です(カップリングは前者×後者)。
読んでる間、「今宵、天使と盃を」の主役2人の年齢を2歳ずつ、
年上の方の格好良さをギリギリボオイズラヴ標準レベルまで、年下の方の凶暴さを猟奇的レベルまで引き上げて
更に受攻を逆転させてより受らしく攻らしくするとこの2人だよなぁ、なんてことをちょっと考えてたんですが、
それじゃ完全に別人だよね…と読み返して思った。
「CLaCLa」掲載のインタビューによると、当初の予定では受と攻が逆だったそうで。何となく納得。


で、受893の天海。やっと想いが通じようが今までの関係がそうそう変わるはずも無く、想い人を殴り蹴り、
「抜け作探偵」「メタボ予備軍」と罵り、ついでにことあるごとに「俺にもやらせろ」とセクハラするという
相変わらず(いや、進展はしてるか一応…)の凶暴さ全開です。つかむしろグレードアップしてないだろうか(汗)
今回はヤのつく自由業なお仕事描写はあんまりないんですが、一見その世界で傍若無人に振舞っているようでも
裏では相当な苦渋や屈辱を味わってきているであろうことを伺わせる場面があり、
こういう「格好いいだけじゃない」所もきちんと描いてるBL極道モノを読んだことがなかったので
ちょっと目からウロコ(用例が適切じゃないかしら…)でした。
そんな相手に「断じてマゾでも駄目亭主でもない」と自分に言い聞かせつつ、「日々なけなしの男の威厳を蝕まれる」攻、陣内…。
しかも未遂に終わるとは言え、天海に興味を持っている真性変態893にまで「男の操」奪われかけるし。
「休日にパチンコくらいしかすることがない」って、なんか枯れオヤジ度アップしてるし。
自分のせいで怪我をした攻を看病する受、というシチュエーションで
「鬼嫁に介護されている寝たきりの姑」気分になる攻ってどうなのよ!
前作よりもエスカレートしてる夫婦どつき漫才には何度も吹きましたわ。
えろすなシーンも、リバりこそしないものの、全て受の方から襲ってたし…あ、前作でも1回除いてそうだったか…。


とまぁ、普段はそんな感じなんだけれど、それでもずーっと関係が続いてきたのはそれだけ互いを強く想っているからこそな訳で。
けど、それで全て上手くいってるかというとそうとも言い切れず、晴れて両思い、ってことでラブラブ度は高くなってはいるものの、
だからと言ってただ幸せなだけではなく。
心底愛していながらも、成就してしまったら後は終わるしかないと、どこかで諦めを抱き続けている天海と、
生き方や考え方の違いに困惑し、悩みつつも、それでも自分なりのやり方で愛していきたいと思う陣内の気持ちに
読んでて1作目以上に切なくなってしまった。
この2人の関係って、天海が「法も平気で犯すヤクザ」であり、その道で生きることが自らの根幹になっている以上、
順風満帆にいく訳がないどころか、いつ終わってもおかしくないもので、
だからこそ余計に仲良く(?)どつきどつかれてたり、たまーに素直にいちゃついてると嬉しくなってしまうんだろうなぁ…と
またまた何度も心を彼岸に飛ばしたのでした。


(簡易検索用)作者名:英田サキ