いよいよ完結巻

SASRA〈4〉 (ビーボーイノベルズ)

SASRA〈4〉 (ビーボーイノベルズ)

「大正編」
はじまりは大正ですが、物語のメインは昭和初期だからこの編タイトルはちょっとそぐわないような?と思ったけど
「昭和編」より雰囲気は伝わるような気もする。
1話目以来の年下攻、原点回帰ですね〜(4話目は年齢不詳だけど年下だったとしてもそんなに離れてない印象だったので…
ちなみに1話目が5〜6歳、こちらは7歳違い)。
カップリングは子爵の跡取り息子×博徒(賭博を生業とするヤクザみたいなものっぽい)。
この受さんが非常に侠気あふれるお方でして、そもそも少年時代の攻さんと知り合ったのも
震災で家屋の下敷きになったところを助けたのがきっかけだったりするし、
弟のように思っている攻が、無鉄砲なことをしでかしたり、理性吹っ飛ばして不埒なことをしようものなら容赦なく鉄拳制裁…
すみません原点回帰っていうの取り消します。
幼い頃から慕い続けてきた相手への想いがやがて恋心となり、何度突っぱねられても離れようとしない攻はともかくとしても
受の性格的にどうやったらこの2人、マトモにくっつくのかしら…と危ぶんでましたが
他のお話ほどラブラブ一直線ではないものの、無理のない範囲でいい感じになってくれて一安心。
そして4話のようにエピローグで何とかそれっぽくしてるものの、かなりハッピーエンド寄りでした。
つか初めてコトに及んだときの受さんの台詞が素敵過ぎです。


エピローグ〜last story
ここで舞台は現代に移り、プロローグのお2人(超色男だが若干お下品なオッサン×顔立ちキレイめツンツン大学生)が再登場。
お話自体も主役2人の性格上、他の話とはうって変わって明るいし、
ここまであんまり全面に押し出されてはいなかった「前世」などという非日常極まりない単語や
その他ファンタジックな現象の連続に「わー、今までの流れと印象違い過ぎー」と面食らいつつも
取り敢えず神官の少年が赦されてよかったよかった。
で、メイン2人も「前世に影響されてるのは確かだけど、今惚れてるのは事実なんだからいいじゃん」
的ノリでくっついちゃって「いいのかそんな簡単に割り切って」感がなくはないですが、
最初のエジプトに加え、その後6回の転生全ての記憶が甦っちゃったら…それもいたしかたない気はする。
両思いになるまでの流れが少々性急だけど、受と攻のいちゃつき会話は割と萌エでした。


以上!間に他の本もちょっとは読んでましたが、4巻ほぼ一気読みでした。
同じ作家さんの作品を3冊以上続けて読むと疲れてしまうため、シリーズものを一気に、ということは滅多にないんですけど
4人の作家陣によるリレー小説なので、アンソロジー感覚で進めることができた。
Amazonの評価等、ネット上の評判は特に悪くはないけど「すごく良い」という訳でもなかったようだったので
何となく手を出しかねてましたが、歴史モノ大好き、メイン2人がくっつきさえすれば悲恋全然オーケー、
超絶美人(この点だけなら半数以上…)かつ強気な受も多くてと、好みな要素が盛りだくさんだったのは嬉しい誤算でした。
感想サイト等をめぐってみると、好きな人はすごく好きだけどそうでもない人は「ふぅん」くらいか
はっきり「つまらない」って意見も少なくはないし、好きだという人も各話の好みとなるとまちまちみたいですね。
全話通して純愛が基本で、攻が嫌がる受をムリヤリ(思い余って暴走しかけるくらいはあるけど)とかは全くナシ、
登場人物がかわいそうになることはあっても、読んでるこっちが色んな意味で辛くなるような
いわゆる「イタイ」程の展開は見受けられないし、一部設定が特殊な話はあれどストーリー自体は割とオーソドックスなので、
人によっては退屈に感じるかもです。
自分は全体的に萌エ要素が大きかったので素直に楽しんじゃいましたが。


お気に入りはと尋ねられたら、話自体が好きなのは中国編と江戸編、
カップリングが萌エだったのはローマ、中世ヨーロッパ、大正編かな。今更ですが趣味バレバレ…。
各話の作者は誰か?という予想は、ネット上で「この人じゃないかな?」と言われているのとほぼ同意見かなぁ…。
読んだことのない作家さんもいるので、はっきりとしたことは言えないけど、
中世ヨーロッパ編と現代編(プロローグ・エピローグ・last story)、中国編と江戸編は
それぞれ同じ人が書いてそうな印象を受けました。
でも、1巻の感想に書いたように、誰かの作風を別の人が意図して真似てる可能性もあるので、何とも言えないです。
むしろ「こうだと思う」作者ではなかったりして欲しいという気持ちもあったり。


先月1巻目が出たドラマCDも、CMを聴いたらキャストは合ってそうだった&BGMも良さそうだったので
特典目当てに先週セット申し込みしてしまってたりします。週末には届くかな〜、楽しみ♪


(簡易検索用)作者名:Unit Vanilla