世界の平和は我らが守る(なんつて)
そんなフレーズが合い言葉のラジオ番組とは何の関係もなく、最終巻感想です。
- 作者: Unit Vanilla,蓮川愛
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2009/01/29
- メディア: 新書
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くらいしか…と危惧してたものの、露出はむしろ減。
しかし上半身ほぼ裸+オビにギリギリ隠れる位置で自らパンツチラ見せの受さん。背後にこぼれる薔薇の花…
これはコレで買いにくい。
で、発売開始日に訪れた(←相当楽しみにしてたらしい)書店でまず最初にしたことは、
攻様ピンナップの絵柄と、本文の余白の確認でした。
ピンナップは、肩見せ程度の見返り美人構図でちょい肩透かし…てどんなん期待してたんだ私。
余白と厚さは3巻と同じくらいで、減ってはおらず。しかし今見比べると逆に1巻の上下の白さにびっくりだ…。
内容はというと。
1巻(硝子):(暴言につき削除)
2巻(密林):ツッコミどころ満載だがそれなりにそれなり
3巻(KOCHO):電波
と来まして獅子(と書いてキング、と読みます)。
マトモでした。
とてもマトモでした。
薬使って拉致ったり、突然押しかけて手術させろと迫ったりしないし。
ヘリかクルーザーしか交通手段のないプライベートアイランドに恋人と2人きり、なーんて程度のゴージャス具合、
このジャンルじゃ普通普通!
…なんか、自分の感覚がおそろしく麻痺してる気はするんだけどまぁいいや…。
気を取り直して。
カップリングは、大型犬を彷彿とさせる花屋(35…正体はあらすじでバレバレだけど)×イギリスでパブを経営する日本人(25)。
途中までは、気が強くて仕事には真面目で男同士経験豊富、でもって美貌の受はいいとしても
攻は大型犬呼ばわりされつつ、最早ギャグの域に達しつつあるセレブ氏でその上受を徹底的に甘やかしまくり、と、
ちょーっと引くレベルのスーパー攻様だよなぁ…
なんて思ってたんですが、読み進めるにつれてそんなことはどうでもよくなってきてしまい
4分の3越えた頃くらいには2人のやりとりにじたばたし通しでした。
ラストシーンも、あからさまでないところに却って互いの想いの強さが出ているようで好きです。
主役2人のみならず脇役も皆キャラが立っていて、魅力的だったりどこか憎めなかったり。
アーサーズガーディアンという組織、キワモノというか危険集団だと思い込んでたけど
その設立の経緯は驚く程まっとう、っていうよりすごく哀しいものだったのね…。
1巻からずっと何かにつけて話に出てきたアフリカのとある国にまつわるエピソードや、
3巻で登場した薔薇のことも、この巻できれいにまとめられており、ラストを飾るにふさわしい物語でした。
各話を担当された作家さんは、いろいろな所で言及されているように五十音順かなとは思うんですが
読了数が一番多い木原さんですら商業同人短編長編合わせても10作に満たないし、
岩本さんに至っては個人名義で発表されてる文章を全く読んだことがないので何とも…。
SASRAだと、話の運び方や文中の具体的表現などから、
密林→ローマもしくは大正(派手な見せ場の多さ、受の性格設定や××シーンの表現や台詞…あんまり自信ないです)
胡蝶→江戸(色っぽい場面が直接的というか、BL特有のキレイさをあんまり感じないあたり)
獅子→中世ヨーロッパ(脇役達のキャラ&会話の調子の良さから)
を担当された方のような気がしました(硝子はわかんなかった)。
読み返して文章全体を比較する等は全くしてない上に、ヨーロッパと江戸は先入観ありまくりなので
これまた何とも言えませんが…。
時間の経過は、
4巻本編→2巻→1巻→3巻→4巻プロローグ・エピローグということになるのかな。
シリーズ通してカップリングは「攻らしい攻」×「受らしい受」で
コンセプトそのものがドツボだったSASRAに比べると当たり外れは激しかったものの
次はどんな作風の話が来るか全く予想がつかないこともあって、全体的に楽しんで読めました。
しかし、1巻後書きにはラブコメディってあったのに、最終巻後書きでは見事にスルーされてたな…。
(簡易検索用)作者名:Unit Vanilla