こっちの名義では初めて

榎田尤利名義の方は20冊以上読んでるけど、「ユウリ」の方は初読み。
去年の12月に買い逃して、2週間くらい前にやっと入手したら3版とありました。速いな…!
舞台はほぼ現代日本ですが、妖怪のDNAを持つ人間「妖人」の存在が世間で取りざたされ始めた世界。
妖人が関わる事件専門部署、Y対の新米刑事・脇坂とベテラン刑事の鱗田、
それと妖人を見抜く力を持つひねくれ者の茶道家・伊織等々が殺人事件の謎を追う、探偵モノの部類に入るかな。
「妖人」という人外の存在が出ては来ますが、ストーリーそのものはちゃんとミステリーの形になってます。
話の運びは、これが1作目(そもそもシリーズものなのかなコレ…?多分そうだろうけど)ということもあってか
謎解きもそれほど凝ってなく、良くも悪くもオーソドックスというか、無難。
偏屈だけど情に厚い超美貌の探偵と、彼に仕える穏やかな家令(管狐)、プラス同居人の無邪気な少年(あくまで外見のみ・小豆とぎ)、
妖怪大好きオトメンで天然で純粋で一生懸命な新米刑事(ぶっちゃけ「それでも、警官は微笑う」と若干被る…)、
加えて探偵と腐れ縁の、度を越した女好きで危険な雰囲気の妖人という、
魅力的ではあるもののそこかしこで見るタイプのキャラクターが勢揃いだから仕方ないと言えば仕方ないか。
ただ、事件の根底の部分の種明かしに当たる最後の場面は、怪談とかとは違った不気味さに背筋がぞくっとなった。
大きなネタバレになるので詳しくは書きませんが、こういう話も書く作家さんなんだなぁ。


イラストは表紙と裏表紙だけかと思ったら、ラストの方でモノクロのが見開きで1枚ありました。
家令の芳彦と鱗田は大体イメージ通りだったけど、想像以上に脇坂が正統派爽やか美青年で、小豆とぎのマメが美少年だった(あはは)