だってシマシマが

リブレのサイトの新刊案内で「プリズン特集」の文字を見たときから気になってなんていなかったんだからね…!

b-Boy HONEY 6

b-Boy HONEY 6

書店で平積みになってるの見た瞬間にレジに持っていきかけたんですが、その場は何とかこらえて。
後日サイトの試し読みでいくつか読んでみて、好きなor気になってる作家さんが何人か参加してるし、よしいってみよう、と。


「プリズン」といっても、ムショあり牢獄あり閉鎖空間ありの、それ広義過ぎないか?のプリズンもので
現代日本の刑務所モノは10本中4本と、思ったより少なかった。
海外の刑務所モノはナシ。惜しい(牢獄はあったけどそれもファンタジーだし)。
暗い話多めですが、コミカルなのやおバカなのもあり。


以下、収録作品の感想(敬称略ネタバレあり、かつ所々不穏な発言がなくもありません)。


「女帝の首狩り」 池 玲文
巻頭のカラー口絵がサロメを思わせる構図ですね。美しい…!
中華ファンタジーで、BLというより耽美と表現した方がぴったりくるお話でした。
「牢獄」は最初の方だけだし、カラミらしいカラミはほぼないに等しいけど、絵柄も題材も、こういう雰囲気は好きです。
えろえろもしくはガチムチのイメージがある作家さんだったけど、こういう作品も描かれるんだなぁ。


「つれづれ絵巻」 こだか和麻
テーマとまったく関係ナシのエッセイ。連載物?
担当編集の愚痴は某掲示板の作家スレとかでやってください…。


「とらわれびと」 日野ガラス
b-boyからコミックスが出てないっぽいってことは新人さんかな?
(後で調べたら他社でコミックス1冊出てるんですね)
攻の893が全然ワルな人に見えないとか、いくら子供だからって目の前でソレはないんじゃ…とか、
突っ込みどころは色々あるものの、刑務所の暗い感じを活かしつつ、かつ純愛で
正統派のBLムショものといった感じでした。
ラストが消化不良なのがちと残念だけど、あのページ数内でまとめるとしたら仕方ないか。


「狂喜の檻」 真枝真弓
囚人と看守。ほぼえろのみ。案外嫌いじゃないです、こういうの。


「シアワセのカタチ」 七織ニナコ
こちらも正統派と言えば正統派なんだけど。攻、普通に酷い奴だな……。


「星を待つ間」 本庄りえ
安定した絵柄と起承転結のはっきりしたストーリーで、安心して読むことができました。
オチの前半部分はちょっとネタバレっぽいものを読んでしまってたので、すぐにわかっちゃったんだけども。


「月陰の帝国」 千歳ぴよこ


(何も見なかったんだ、そういうことにしよう)


未知との遭遇」 腰乃


トイレ借りようとして入った変なラブホの一室で鉄格子に閉じ込められて…て、最早プリズンでも何でもないし。
軽いとはいえス○ありなので苦手な方は注意。
でも、この作家さんのおバカネタは結構好きなので、苦笑しつつも楽しんじゃったことは最早内緒でもなんでもない。


Birdy Kiss」 蛇龍どくろ
マーブルコミックスで人気の作家さんでしたっけ。
雰囲気で勝負!の作家さんなんだと思う、現に人物の表情はいいと思うんだ…
でも、背景白過ぎ!「主役2人の顔面」以外が適当過ぎ!と、そればかり気になってストーリーに集中できなかった…。
私の情緒が足りないのか…そうなのか…


「黒のヴァルハラ」 本仁 戻
中世ヨーロッパ風ファンタジー。タイトルと扉絵から感じられる通り、暗くて不気味でグロテスク、けれど美しいお話。
某所のレビューにグロ注意、ってあったから構えてたんだけど、あのくらいなら全然平気。
まぁ、なまじ絵が綺麗だから、凄絶な台詞の数々だけでも想像力を喚起させるには十分だけど…。


「ミリオンダラー・フレーバー」 琥狗ハヤテ
紅茶の缶に入った紅茶の精って、最早(以下略)
プリズンは頭の外に追いやって、擬人化モノと割り切って読めば面白く、かわいらしいストーリーでした。
しかし紅茶を淹れるときのお湯の温度は熱湯、だよね…?ノンカフェインは違うのか?
あと紅茶の缶(葉が直接入ってるやつ)には普通脱酸素材は入ってないような…特別製だからだよね、きっと。


以上。まとめてみると(同じ項内での順番は掲載順)


好き:「女帝の首狩り」「未知との遭遇」(←ん?)「黒のヴァルハラ」
良かった:「星を待つ間」
悪くなかった:「とらわれびと」「狂喜の檻」「ミリオンダラー・フレーバー」
合わなかった:「シアワセのかたち」「Birdy Kiss」
(暴言につき自粛):(察して下さい)


つまるところ、期待していた作家さんの作品は楽しめて、そうでない人はそれなりに、という、
アンソロによくあるパターンでした。
とは言っても、思ってたよりも読み応えがあって全体的には満足。
他の作品も読んでみたくなった作家さんも何人かいるし。


そして、前半だけ書いて半年以上放置してるエロとじ2の感想は…忘れてない…です…